姉について

 

姉はギャルだ。わたしとは真反対だ。中学からやんちゃな感じの子らとつるみ、高校時代はバイトか部活か遊ぶかでおよそ家にはおらず、その奔放さに母や父方の祖父との喧嘩が絶えなかった。そのころに完全なるパツキンだった時期もある。昨年参列した姉の結婚式の二次会では、姉の友人(日ごろわたしとは世界を異にするパーリーなピーポーたち)に囲まれてヒエーとなった。姉には三ヵ月になる子どもがいるが、こないだは「まつエク行くから見てて~!」と、うちに赤子を託して出かけていった。今度は友だちとバーベキューするというので、またもや預けにくるらしい。姉はギャルママに進化した。

 

姉は天然だ。以前に姉、母、わたしがおなじアイスカフェオレを注文したとき、この順で受け取ったのだが、姉のにだけ氷が入ってなかったことがあった。店員さんのミスだ。飲み終わってから姉が「氷が入ってなくておいしかった」と言って、あれ?わたしたちのは入ってたよ?となり、それが判明した。そしたら姉が、「最初に受け取ったのはわたしのだから、2人のが来るまえに全部溶けたんだ」と真剣に言うのだ。いやそんなわけあるかい。何時間のラグだ。めちゃめちゃに笑っていたら、「またバカにされた」とおこった。バカにしてるわけではないのだが、会うたび一回はトンチキ発言をするので、またと言われるのもしょうがない。

 

姉は勉強ができない。高校時代にはテスト期間になるたびに膀胱炎になり、勉強アレルギーだ…!と我が家をざわつかせた。兄は国立大、わたしは公立大、姉は私立短大に入った。勉強でいうと、兄とわたしに圧倒的に分がある。姉はそのことに引け目があるらしく、先述の「バカにして…」というのもそこに端を発するところがあるようだ。

 

でも姉は立派な人間だ。学んだ分野を活かせる仕事場にちゃんとお勤めして、初任給で両親を食事につれていき、24で結婚し、義実家と良好な関係を築き、子どもを産み、ちゃんと育て、産休が終わればまた働きにでるという。そのうえ社交的だ。明るい。小難しいことを考えずさっぱりしている。わたしは尊敬している。

 

せっせこ縫っていたイヤリングがまたひとつ完成した。

 

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作業台の汚さには目をつむろうね

 

母にこれをちらと見せたところ、家に来ていた姉にそのことを話したらしく、先日姉がわたしの部屋に見に来た。

「すご!売れるじゃん!これかわいい欲しい!(わたし:これはちょっとあげれないかな)じゃあ私のも作って!黒のタッセルね!」

嵐のようにやって来て去っていった。そうやって思ったことを脊髄反射で言えるの、まじですごいし羨ましい。姉はそんなこと考えもしてないんだろうけど。

いつかのブログにも書いた気がするが、わたしは家族に自己開示できていない。ゆえに姉とも距離があると、少なくとも私の側では思っている。義兄にも妹さんがいて、そちらのほうがわたしよりよっぽど姉と近いタイプのひとで、リアル妹がこんな偏屈なやつで申し訳ないねえと思うこともしばしば。そんな姉にこういったことを頼まれて、素直に嬉しかった。がんばってかわいいの作るよ。でも材料費は請求するよ。

 

 

 

 

メンタルブレイクなことばっか書いてたら心配してくれる方々がいてくれまして、ほんとうにありがとうございます。みんな優しいねえ、こんなふざけた小娘に…。コメントなどはちゃんとお返ししますゆえ、気長にお待ちください。ラブ。