腕毛を震はす絶望の季節か

 

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エスカレーターで、前に立ってるおじちゃんの腕毛がすごかった

長い   とにかく長い

その一本一本がわたしの前髪ぐらいの長さ

あれだけ長いと不便がありそうだ

セーター着るとき静電気すごそうだな

小虫が絡まったりしたら嫌だな

ところで、『青鷺』という合唱曲がある

凍原に青鷺が立ち尽くすという歌だ

その歌詞に、こんなくだりがある

 

耳毛かすかに震へ

寂寞の極みになにが聞こえる

 

胸毛を震はす絶望の季節か

凍れる川の底流の音か

 

中学校の校内合唱コンクールで聴いたのかな、この歌

冬の厳しさを耳毛胸毛で表すってウケるな、と思い、それからずっと覚えている

すごい荘厳な歌なのにウケてごめんなさい

それはさておき、この立ち止まってるのにそよいでいるのがわかるほどの腕毛も、あの青鷺の胸毛のような役割を果たしているのではなかろうか

皮膚感覚として絶対あるよね、毛のそよぎ

春のそよ風に腕毛が揺れる

夏の暑さに腕毛はへたる

秋の野分に腕毛が暴れる

そして、絶望の季節に腕毛を震わす

そうやって季節の移ろいを知る、青鷺おじちゃんかもしれないね

 

 

○マシュマロのお返事

 

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ありがとうございます!

ゆえあって具体的なことは言われないのだけど、昨日はとってもうれしくて楽しいことがあったのです。という日記でした。

それでは、デヴィ夫人返歌でお返しします。

 

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