市場価値とか、ビジネス戦闘力(笑)とか、わたしは文学部にはいって、そういうものに反発していく地盤を培ってきたんじゃないのか。内心それらに抵抗する意志に満ちているのに、そのものさしにおける価値を示そうなんてそりゃできるわけなかった。実際わたしにはそういう価値なんてないのだから。自分が一番それをわかっている。自分は人間の価値をそこに求めていない。その枠の外側にあるものを見つめることを、わたしは今まで勉強してきたんじゃないのか。おそらく、人一倍。

そういった空気を感じる場所をひとつみつけた。自分からそこにいる人たちに会いに行きたいと思った。うまくいくとは思えないが、試してみよう、試されに行こうとは思えている。そこではおそらく、市場価値なんて歯牙にもかけられない。そういう環境にいたいんじゃないのか、自分は。